2013-09-04

レイモンド・ローウィー その3

どうもこんにちは、切手ネコのふうじんです。


秋になってきましたね。
蝉より鈴虫とかコオロギの鳴き声が目立つようになりました。

さてさて、前回に続き、アメリカのデザイナー、ローウィーさんのお話を。
この切手ですよ、覚えてますか?

この切手は最終的に、
造幣局のロバート.L.ミラーによるスケッチをベースにして、
ローウィー(の会社)がデザインし、
ジャクリーン・ケネディ夫人が最終チェック。
そしてM.D.フェントンという職人が金属板に彫りつけて版をつくり、
輪転機によって約5億枚印刷されています。

しかし発行に至るまでの道のりには、まだまだ紆余曲折があるんですね〜。

最初にアメリカ印刷局(造幣局)が打診した印刷会社は、
この仕事を「無理!」と断ったんですって。
だって、前回も書きましたが、製作期間がわずか数ヶ月しかなかったにもかかわらず、
5億枚という大量の印刷をせねばならなかったわけだし……。
こりゃあ断る方が道理ってもんです。

ところが途方に暮れた局が、同じ条件でローウィーの会社に打診したところ、
彼は「OK、お受けしましょう!」と答えている。

こんなタイトな条件なのになぜ? 
ケネディ大統領とマブダチだったから?
政府の要請という名誉だから? 

いえいえ、その大きな理由は「金」だと言われています。
何しろこの仕事で彼の会社が得た金額は500ドル。
……意外と少ないって? 
いやいやこの話、初任給が1ドルだった時代のことでありますのよん。

しかも結果としてこの仕事が芋づる式に他の仕事を呼び、
ローウィーの会社はますます発展を遂げていくわけです。

そうした後の展開(儲け)まで読んだからこそ、
リスキーな仕事に手を出したというわけなんですね……ローウィー、やるなあ。