2013-04-24

オスカー・ニーマイヤー その3


予告どおり、またまたニーマイヤーです。
だって好きなんですもの。うふ。
万が一にも僕が自邸を建てることになったら、
ぜひ彼に設計をお願いしたいと思っていたのですが
(ほとんど冗談だけど、0.1%くらいは本気入ってた)、
残念ながら去年末に逝去。

あのニュースにはだいぶショックを受けました。
僕のヒーローが……。
天国でも美女と建築の日々を過ごされていることを祈ります。

さて、今回の切手は上から
国会議事堂、カテドラル、
そして大統領官邸の外壁を囲む構造体デザインだけをとり出したもの、
の3枚です。
消印で見づらいですね、すみません。
画像をクリックすれば拡大します。


特に3枚目の構造体デザインは有名で、
このカタチが連なる列柱の様子は本当に美しくてため息が出ます。

デザインの詳細は、建築写真家として名高い二川幸夫さん
(こちらも先日ご逝去されました……ご冥福をお祈りいたします)
の撮影本『Oscar Niemyer Form&Space』(GA)
でキレイに見られるので、機会があればぜひご覧ください
(この本はあをぐみにもあるので、
ショールーム【place by awo】にご来店いただければお見せしますよ)。

2枚目の青い切手に描かれたカテドラルですが、
この内部には梁も柱もスラブも一切存在しない。
外観を特徴づけている16の構造体に囲まれた広い空間だけが、
ただボボーンと広がっているのです
(って、実際に行ったコトはないんですけど、写真とか見るとそうかなって……)。

こういう建物を見ると、
建築の自由度と構造の技術力は
正比例するんだなあとしみじみしちゃいます。

2013-04-16

オスカー・ニーマイヤー その2


こんにちは。
このところ散った桜に思いを馳せている
切手ネコのふうじんです。


さてさて、しばらくは前回からの流れでいこうと決めたので、
またまたブラジル人建築家、
オスカー・ニーマイヤーの切手を登場させます。


前回のブログで紹介した以外の
ニーマイヤー建築@ブラジリアが3種類。
左上の青色から時計回りに、国会議事堂(1958)、
外務省(1962)。そして大統領官邸(1957)です。

ついでに大統領官邸の手前にある彫像は、
古代ブラジルの神話に出てくる水の女神(セイレーン的な存在)。

ブラジリアは、オスカー・ニーマイヤーが師である
ルシオ・コスタと協同で計画した新首都で、
約50年前にリオデジャネイロから移転しています。
「首都移転の最大の目的は、
『ブラジルのアイデンティティを構築すること』でした」と、
駐日ブラジル大使館のエドゥアルド・ティシェラ・ソウザ氏が
首都移転から50年後の2010年に振り返っていますが(国土交通省のサイト参照)
何もない砂漠に、たった5年で見目麗しい近代都市を築いたくらいだから、
その原動力たる意地みたいな気持ちは、結構大きかったのかもしれないですね。

にしても、彼の言葉にある「クビチェックはファラオの生まれ変わり」
という話はおもしろくって好きだなあ。
クビチェックはブラジリアへの移転を指揮した当時の大統領ですが、
よほどカリスマ性があったんでしょうね。

関係ないけど日本でも、
東日本大震災直後に首都機能移転論が再燃しましたが、
すぐトーンダウンして消えてしまいました。

ニーマイヤー話は今後もまだ続きます。

2013-04-09

オスカー・ニーマイヤー その1

どうも。あをぐみ所属の切手ネコ、ふうじんです。



僕はかれこれ5年近く切手を集め続けていて、
だいぶいろいろたまっているし、どれも気に入っているし、
いったいどこからどう披露しよう……非常に迷いました。

 で結局、栄えある第一回目に選んだのはこれ。
ブラジル人建築家、オスカー・ニーマイヤー(1907〜2012)の
建築デザインをモチーフにした切手シートです。



2010年にブラジルで発売されたもので、
希少とかレアということは全くなく、むしろ手に入れやすい
(っていうか僕のコレクションに、手に入れにくい切手は一切ないんですが)。
でもこのシートデザインといいモチーフといい、
とても気に入っております。

切手自体は、「聖体大会」という
キリスト教のイベントごとを記念して発行されたものですが、
どちらかというとニーマイヤー賛歌、
あるいは首都ブラジリア賛歌としか思えないデザイン。

というのもモチーフとなった建築物はすべてニーマイヤーのデザインで、
しかもブラジルの首都ブラジリアに建つもの、
あるいは強く関連しているもののみだからです。

1960年にブラジルは、リオデジャネイロにあった首都機能をブラジリアに移転。
その主要機関などの建築デザインの大半を担ったのは、
ブラジル人建築家、オスカー・ニーマイヤー(と師匠のルシオ・コスタ)でした。

では切手に描かれた建築物を左側から順にご紹介。

まずは、見切れてるけど、土星のわっかが掛かったみたいな建て物。
これは2006年竣工のギマラエス国立美術館です。

そのお隣はニーマイヤー建築のなかでもかなり有名な、
1958年築のカテドラル

王冠のようなカタチの建物で、
まわりをグルリと囲む16の構造体にニーマイヤーイズムを感じます。

次に中央に立つ戦士の彫像

ブラジリアの三権広場に据えられたこの彫像は、
新首都建設に携わった労働者の功績を讃えてつくられました。
ちなみに像はニーマイヤーではなく、彫刻家のブルーノ・ジョルジ作。

右側は、ブラジリア建設を指揮したクビチェック元大統領のため、
1956年にブラジリア近郊のカテチーニョにつくられた仮設住宅。
クビチェックなくしてブラジリアはありえなかったため、
ブラジリアのいろいろなところに彼の像や碑が見られます。

とはいえ僕的に、この仮設住宅が図柄に選ばれているのはちょっと謎。
ブラジリアにはもっと有名な建築がたくさんあるのに、
なぜこの地味な、しかもブラジリアではないところの建物を選んだんだろう……。
それについて切手デザインをしたブラジル人デザイナーの
ミリアムさんにメール質問してみたんですが、
残念ながら回答なし。がっくり。

ちなみに建物上部からニョキッと見えている像は、
後にブラジリアに建てられる大統領記念館の前に立つクビチェックの像。
実際の仮設住宅にはこの像はないので、
なんだか紛らわしいことになっています。

最後に、右端の橋。これは大統領にちなんで名付けられた
ジュセリーノ・クビチェック橋でございます。
これもまたニーマイヤーのデザイン。

ブラジリアおよびニーマイヤー関連の切手はほかにももっているので、
次回以降も紹介していこうと思います。
初回から結構マニアックでしたかしら……。