2013-10-23

レイモンド・ローウィー その4


ローウィーネタの間がちょっとあいてしまいました。

ローウィーって誰だっけ? とか思ってます?
そういう方は、お手数でもぜひ
「その1」からお読みいただけると幸いに存じます。

で、3回にわたって紹介し続けてきたケネディ切手の話を終え、

最後におまけ的なエピソードをひとつご披露したいと思います。

実はローウィー、フランス在住の幼い頃は切手少年だったらしく、
それに関する記述が、自伝的著書『口紅から機関車まで』に出てきます。
以下、長いけれど抜粋。

 小さい子どもが誰でもするように、私も郵便切手の収集をはじめた。
 私が切手が好きになったのは、
 その多くが美しく、色彩に富み、ロマンチックだからだった。
 南アフリカのザンベジ、アイルランド、ラブラドア半島やセイロン島、
 中米のコスタ・リカ、南米のペルー、サモア群島それにギリシア。
 遠くからの美しい郵便切手を眺めながら、私は何時間でも夢見続けることができた。
 
 ある切手のシリーズが私を魅了した。喜望峰の三角形の切手だった。
 やがて私は全シリーズを手に入れた。
 色とりどりのその気ってシリーズは、ひとまとめにすると全くすばらしかった。
 私はこんなに美しい切手はほかにないと判定を下した。
 それならなぜほかの切手を集めるんだ? 
 そこで私はこの美しい三角切手ばかりをアルバム一杯になるまで集めつづけた。
 これにはほかの子どもたちも呆れたらしかったが、私は一向気にもかけなかった。
 私の収集は、一種類の切手数百枚に達する珍妙な収集だった。

……どうでしょう、
ひとつのことにハマると熱中してしまうローウィーの気質や
美しいものを愛する心が少し伝わったでしょうか。

いやあ切手って、ほんと楽しいものですね。
次からは別の話題でお会いしましょう!