ところで、コルビュジェ建築がリスト入りした世界遺産。
その審議を行うユネスコの本部はフランス・パリにあります。
本部ビルは1958年竣工なのですが、何とその計画には我等が(?)コルビュジェも係わっていたのですね~。
っつても、これに関してはきっとコルビュジェさん、とても歯がゆい思いをしてただろうなあ……。
ユネスコ本部ビルを計画するにあたり、1952年(1953年かも)に、当時建築界でバリバリ活躍していた5人をメンバーにした建築委員会が立ち上がり、コルビュジェもそのひとりに選ばれていました。
他のメンバーとしては、バウハウスを立ち上げたグロピウスや、後にブラジルの首都を計画するルシオ・コスタといったビッグネームがずらり。いやあ、豪華メンバーです。
とはいえその中でパリを本拠地としていたコルビュジェはいろいろな面で有利(たぶん)。設計の主導もコルビュジェに任せられる可能性が高かったようです、この時点までは。
ところがあろうことか、コルビュジェの提出した案はボツ。そしてユネスコ本部庁舎は結局、マルセル・ブロイヤー、ピエール・L・ネルヴィ、ベルナルド・ゼルフュスの3名の建築家によって完成したのです。
でも話によるとこの建築デザインのアイデア、随所にコルビュジェの出したアイデアが垣間見られるらしく……。「アイデアが採用された」といえばポジティブですが、実際のところは黒いウワサもチラホラあるとかないとか。
あ、これらはボクのもっているユネスコ本部の切手さまざま。
今見てもモダンなデザインですが、この裏に愛憎こもごもなヒューマン・ドラマが隠されているのですね。