2013-05-23

レースと建築

ニーマイヤー建築の濃い内容が続いたので、この辺で箸休め。
僕のコレクションから、こんなものをお見せしましょう。


ちょいとピントが甘くて恐縮ですが、
レースの地に塔がのっかった、どこか乙女〜なデザインが気に入っています。

これらはベルギーで1989年に発行されたシリーズ。
なんでもベルギーではボビンレースが伝統工芸のひとつで、
起源は16世紀までさかのぼれるんだとか。
宮廷文化とともに発展し、重要な輸出品として経済に貢献してきたそうです。

それにしてもこの切手にはなぜ
レースだけでなく塔のモチーフが入っているのか……。

調べてみたらどうやらこれらの塔、
レースで有名な3つの町の象徴的建物なのだとわかりました。

グリーンの切手にはリュクサンブール州の都市
マルシュ=アン=ファメンヌの聖ルマクル教会、
青はブールージュにある15世紀の鐘楼塔、
そして赤はブリュッセルの市庁舎(多分)が描かれています。
きっとそれぞれのレース模様も地域を象徴したデザインなのかもしれませんね。

レースと塔……この柔と硬のコンビネーションが絶妙すぎて、
見ているとうっとりしてしまうお気に入りの切手です。

2013-05-13

オスカー・ニーマイヤー その4

「オスカー・ニーマイヤーその1」で紹介した切手シートは
鳥のカタチをしていますが、
これはブラジリアの町全体が、
まるで鳥が羽を広げたよう(飛行機とも言われますが)なカタチに
計画されていることに基づいていると思われます。

この切手を見ると、それがわかるかな?


ビル群の上に描かれたオレンジっぽい図形がまさに
ブラジリアの姿なのです
(ピントがあってませんね……すみません)。

この都市計画はニーマイヤーの師匠であるルシオ・コスタによるもの。

切手に描かれた黄色い都市全体像を見ればわかるように、
鳥の胴体を貫くように走るモニュメンタル大通りと、
それに十字に交差するように広がる翼のようなエイショ大通りが、
街全体の主軸になっています。

ブラジリア都市計画の詳しいことは、
より深く知りたい人はぜひ。
ここを読むとブラジリアのことと同時に、
都市計画の重要性も理解できます。

こうしてルシオ・コスタが計画したブラジリア。
それを彩る主要建築のほとんどを、
オスカー・ニーマイヤーという建築家が担うのです。

ひとりの建築家がひとつの都市にこれだけ多くの傑作を残した例は、
世界広しといえど、ブラジリア以外に思い浮かびません。
ニーマイヤーは、母国をパトロンとして活躍する希有な建築家だったんですね。

こうしたニーマイヤー建築に彩られたブラジリアは、
建設から38年目にしてユネスコの世界遺産に指定されるという
快挙を成し遂げています。

2013-05-02

スリナムのステンドグラス


ずっとニーマイヤー続きだったので、ここで閑話休題。
今日は、地図で言えばブラジルの右上にある国、
スリナムの切手をご紹介します。


教会のステンドグラスをモチーフにした切手が5種類。
どれも単純化されたかわいいデザインで気に入ってるんですよね〜。

ところで、不勉強ながらスリナムという国のことは、
この切手に出合うまで名前しか知りませんでした。
イギリスやオランダの植民地支配を受け続け1975年に独立したこの国は、
長く宗主国だったオランダの影響を随所に受けているようです。
このステンドグラスデザインもそうなのかな? 

首都のパラマリボには南米一の木造大聖堂があるそうですが、
そのステンドグラスなんだろうか……。
調べてみましたがわかりませんでした(敗北)。

……煮え切らない話題ですみません。
でも切手って、
いろいろな国のモノゴトに興味をもついいきっかけになるんです。